| Tom Doherty : Take the Bull by the Horns トム・ドハティー『テイク・ザ・ブル・バイ・ザ・ホーンズ』(1993年) ドニゴール出身のメロディオン奏者のアルバムとは貴重です。1913年の生まれで、48年にアメリカに移住。6歳から弾き続けているというから、実に演奏歴70年以上もの大ベテランです。録音時には80歳という高齢であるにもかかわらず、まるで年齢を感じさせないパワフルでエネルギッシュな演奏に思わず脱帽。独奏だと絶えずフゴフゴ鳴らしているベース音が、良い意味での田舎くささを醸し出しています。 レパートリーにはジグやリールの他、ドニゴール音楽らしく、ハイランドやジャーマン、マズルカ(マザーカ)なども多数含まれています。加えて、ポルカや古いセットダンス曲もあり。 使用楽器は10キーのD調メロディオン。ジャケット写真を見ると、丸ボタン型のキーではなく、黒い長方形のキーが並んでいます。2個のベースも同じ形。特注の楽器でしょうか。でっかく自分の名前が入っています。 共演するのは女性バンド「チェリッシュ・ザ・レイディーズ」のメンバーでもある娘のモーリーン・ドハティー・マッケン(フルート、ホイッスル)とメアリー・クーガン(ギター、バンジョー)、それからフェーリクス・ドーラン(ピアノ)、ブレンダン・マルヴィヒル(フィドル)、ミック・モローニ(ギター、バンジョー)。 トム・ドハティーの録音は他に『The Rights of Man』(1991年、 Green Linnet)という企画コンサート・ライブ盤で2トラック、娘モーリーンとミック・モローニとの演奏が収められていました。本人による曲目紹介も聞け、なかなか白熱したライブです。(ちなみに、このライブ盤に登場する他のボタンアコ奏者はジェイムズ・キーン、マーティン・マルヘア、ジョー・マッデン、ジョン・ウィーラン、テリー・ウィンチ) 残念なことに、トム・ドハティーはこの唯一のソロアルバムを制作した数年後に亡くなりました。May he rest in peace! なお、CDライナーの片隅に書いてあったのですが、発売元のグリーン・リネットに問い合わせると、彼の演奏した曲の楽譜を無料で送ってくれるそうです。素晴らしいですね。ご興味のある方はどうぞ。
(TA)
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