James Keane

 1948年2月7日ダブリン生まれ。8歳の時に叔父のアコーディオン、ホーナーのC#/Dに興味を持って弾き始めます。
 ほどなく父親が James のためにソプラーニを買ってくれるのですが、この楽器はB/Cだったそうで、そのことに気がつかずに弾いていたとか。
 とあるセッションで、自分の楽器はキーが違うということに気がつき、それからB/Cプレイヤーとなったワケですね。
 1968年頃にアメリカへ移住。その頃にはいくつものチャンピオン・タイトルを持っていたようです。
 1970年にソロアルバムを Rex Record からリリース。1971年には REGO Record から Paddy Reinolds と共にもう1枚アルバムをリリースします。
 ずっとソプラーニを使っていたようですが、1992年にはカスタニャーリのB/Cを使うようになり、その後 Borelli 、最近では Weltmeister なども使っているらしいです。チューニングはスウィングでしたが、最近ではデミ・スウィングに変わってきています。
 ただし That's The Spirit のジャケットで抱えているのはホーナーのダブル・レイだし、並行していくつかの楽器を使っていたのかも知れません。


1980 Green Linnet
Rool away the reel world

 正確には、James Keane のデビュー作はこれより以前にリリースされたアナログLPなんですけど、現在は入手不可能ということで、本作はCDでリリースされたソロ第2作。

  このアルバムは James の兄で現 Chieftains の Sean Keane が参加した極上のトラッドアルバム。流れるような装飾音の多い演奏は典型的なB/C弾きですね。ソプラーニをチューニングせずにそのまま使っているらしく、楽器の音はかなりのスウィング。

 この頃には活動拠点をアメリカに移していたはずで、当時録音されたミック・モロニーによるコンピレーションにも参加していました(2001年に Rounder からCD再発)。
(HK)

1994 Green Linnet
That's The Spirit

 ジェームズ・キーン『That's the Spirit』 この人も、すっ飛ばしますねえ。
 このスピード感は痛快です。これは94年発表、14年振りのソロ・アルバム。
 バックにジョン・ドイルやゲイブリエル・ドナヒューのギターやキーボード、バウロンを従え、同時に自身でも弾むようなベース演奏を入れながら、カラッと乾いた明るい音色のB/Cアコで軽やかに疾走します。

 ライナーノーツによれば、92年にそれまでのパオロ・ソプラーニからカスタニャーリに転向したそうです。
 それにしても、よく指の動くこと。メロディーに細かい装飾音がこれでもかとばかりに、ちりばめられ、めくるめくようなリールやジグのメドレーが繰り広げられていきます。
 ただ、リードの組み合わせのせいか、ときおり左手のベース音がギーギーと耳障りな音を立てるのが気になるなあ。
(TA)

1998 Shanachie
With Friends Like These

 レーベルを Shanachiee に移して1997年に録音されたアルバムは、タイトルのとおり錚々たる顔ぶれのゲスト達との共演集。でも、どこか肩の力が抜けていて、いい雰囲気です。

 レーベルを変わった事情はよくわかりませんが、実はThat's The Spirit をリリースした後の1996年に古巣の Green Linnet で TOSS THE FEATHERS というタイトルのアルバムを録音しているのです。これは未だにリリースされていません。
 Green Linnet は Joe Burke のアルバム、 Bucks of Oranmore も録音後何年かお蔵入りさせていた前科がありますので、その辺りがきっかけになったかも。

 楽器はこの頃から Borelli を使い始めたようですね。
 チューニングもドライ気味に変えたようで、アルバム全体のサウンドがかなり締まった感じがします。
(HK)


1999 Shanachie
Sweeter As The Years Roll By

 レーベルを Shanachie に移しての第2作。
 兄の Sean Keane や息子達との演奏も素晴らしいが、とにかく1曲目から聞こえるドライなアコの音に感激。ドライといってもカスタニャーリほど明るい音ではなく、もっと陰影がはっきりした音です。

 何曲かで聞こえる Donnchadha Gough のバウロンが素晴らしい。あまりバウロンらしい音でないのは楽器のせいでしょう(多分、Brendan White を使っているのでは)。

 タイトルトラックの Sweeter as the years roll by はハープをバックにしたSlow Air で、とても美しい演奏です。
 その他、ベテラン、若手にサポートされての演奏はどれも素晴らしく、アルバムとしての完成度はこれが一番でしょう。
(HK)


1971 REGO, 1997 KELLS
Atlantic Wave

 このアルバムは、元々1971年にREGOレコードの第1作として発表されたものの再発なんですが、ライナーによると James Keane の当時の演奏は録音し直して入れ替えてあるそうです。
 もう一人のアコ奏者、Paddy Reinolds の演奏はオリジナルのままですから、通して聴くと
録音の違いでどれが新しいものかすぐわかります。

 With Friends Like These にも収録されている James のオリジナルのワルツが素晴らしいです。
(HK)


★映像について
 アメリカのバンジョー愛好者団体が主催したコンサートの記録でBanjo Meltdown というタイトルのビデオがあります。
 そこで James Keane の演奏がちょっとだけ見られますよ。4弦バンジョーを弾くミック・モロニーとシェイマス・イーガンの横でアコを弾いてます。2セット目はシェイマス・イーガンがフルートに持ち替えての演奏。このビデオ、バンジョーに興味のない方にはお奨めしませんが、現在でもブルーグラス系通販店から入手可能です。

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