C#/Dと言ったら、まずこの人の右に出るプレイヤーはいないでしょう。 ジャッキー・デイリーはコーク州の北、カンタークという町に生まれ、アイルランドのほとんどのミュージシャン同様、両親の演奏を聴いて育ったとのことです。 10歳(一説には7歳)の時にハーモニカとティン・ウィッスルを始め、その後父親が演奏するメロディオン(ボタンが1列10個のもの)を弾き始めます。父親の演奏から、かなりのレパートリーを覚えたらしいですね。同時にジム・キーフ、パトレイグ・オキーフといった伝説的なフィドラーから多大な影響を受けます。 町のケイリーで腕を磨いたらしいが、5年近くを仕事のためオランダで過ごすことになります。その間は音楽は一切やらなかったらしいですね。 1973年頃、アイルランドに戻ってからメロディオンをまた弾き始め、翌年ケリー州のとある町で開催されたコンペティションでオール・アイルランド・チャンピオンとなります。その頃はフィドラーのシェイマス・クレイとよく演奏していたらしく、1976年と欲77年、アイルランドのトップ・ミュージシャン達によるドイツ・ツアー(この時の演奏はCD化されており、ドイツ盤で現在も入手が可能)ではソロと共に二人のデュオが聴けます。 1977年に Topic からソロアルバム Music from Sliabh luachla をリリース。 ドイツ・ツアーで一緒だったことが縁になったのか、70年代に約4年間、デ・ダナンに参加、80年代に入ってスライゴーのフィドラー、シェイマスとマーナスのマクガイア兄弟と Buttons and Bows でアルバムをリリース、引き続き Patrick Street や Arcady で活動します。 1995年、待望のセカンドアルバムをリリース、現在は Patrick Street で毎年コンスタントに全米ツアーをこなしているほか、ソロでの活動も多いようです。 スタイルはメロディオンからスタートしたことが窺える Press & Draw で、普通に弾いてもスタッカート気味に音が切れる上、蛇腹捌きがやたらと早いため実にリズミカルな演奏。(当初はB/Cだったらしいのだが、いつC#/Dにコンバートしたのか不明・・・情報が欲しい!) 最初のソロ・アルバムでは灰色のパオロ・ソプラーニを使用、その後ジャケット写真で見るといくつかの楽器を使っていたようですが、サルタレル社のニュアージュ(といっても25ボタン/12ベースなので現モデルのキラルーと同タイプ)に落ち着きます。2000年にリリースされた Patrick Street のライブアルバムまではその楽器を使っていましたが、2000年の秋頃にブルーのニュアージュ(写真では23ボタン/12ベースだった)に変えたようです。 基本的にリードの音は2枚だと思いますが、ピッコロ・リード(オクターブ高いリード)を使って3枚にしている節があります。ベース側はコードから3度の音を抜いていて(ニュアージュより上のクラスだとベース側にそのためのストップがある)メジャーでもマイナーでもコードをガンガン入れています。 最近のスタイルとしてはベースの音は伸ばすが、コードは後打ちでスタッカート気味に弾くため3度を抜かなくても大した違いはないように思いますが、リードを1枚抜くことで音量のバランスがかなり良くなりますから、目的はそちらかも。 内側のD列をメインに使用して外側のC#列は必要最低限しか使わないように思われていますが、音の繋がりから判断するとC#列をかなり積極的に使っているし、装飾音も結構使っています。 ベースのセッティングは独特で、Gが押し引きで出せるため、Air などはコピーできそうでできないことが多いです。ベースは小節の頭のアクセントだけでなく右手のメロディを補完するような使い方もしています。 1曲全部頭打ちでベースを入れた70年代の録音が残っていますが、現在では基本はコードボタンを使った後打ちです。これが独特のノリを出していて実に気持ちがいい。 今でも聴くたびに何かしら発見があります。 |
1992(Green Linnet GLCD 3065) |
Music From Sliabh Luachra 記念すべきファーストアルバムにして、C#/Dプレイヤーのバイブル。どのトラックも美しいと同時に凄まじい演奏が聴けます。なにしろ他の楽器の音は聞こえてきません。 実は Jackie Daly はコンサーティナも弾いていますが、そちらはごく普通です。 右手の小指?を伸ばして高い音のボタンを使ってリズムを出してみたり、リードも曲によってはシングル・リードにしてみたりといろいろなアイデアが盛り込まれています。 収録された曲は日本で(それとも東京近辺だけかな)セッションの定番となっているものも多いです。 アイリッシュトラッドの傑作にして名盤。
(HK)
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| Jackie Daly agus Seamus Creagh これも名盤。 モノクロのジャケット写真ではわかりませんが、ソロ第1作で使っていたソプラーニとは違う楽器を使っているようですね。 曲はリールが増えていますが、もちろんポルカもガンガンやっています。 アルバム最後のマイナーのポルカ The Four Shoves のベースプレイは圧巻。
(HK)
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| Eavesdropper / Kevin Burke & Jackie Daly ジャケットで持っているアコがとても気になるのですが。もしかして、ソプラーニのソリッド・ウッド・モデルでしょうか。 このアルバムではどちらかというとメロディを弾くことに専念していて、ちょっと雰囲気が違います。冒頭のフィドルとのデュオが始まっただけで背筋がゾクっと・・・ 3曲目のポルカがとても良いです。7曲めの The Blackbird はどこから持ってきたんでしょうか。半音がやたらと入るとても美しい曲です。 でも極めつけは5曲目の Garrett Barry's 。Kevin Burke がライブ・アルバムの冒頭でやってましたけど、ここでは途中でリズムが変化してリールになり、また最後にフィドルのソロに戻ります。リールの間中聞こえているアコーディオンはリードを切り替えて低音を強調した音です。
(HK)
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| Many's A Wild Night ほぼ20年ぶりのソロ第2作。 ポルカ、スライドもいつもどおりやってくれてますし、オリジナル曲も披露しています。 この時には楽器を Saltrelle の12ベースに変えていましたが、別のキーの楽器も使っていて、曲によって表情が変わるのが面白い。 あまり言われていませんが、Jackie Daly の Slow Air は最高です。彼自身も好んで Air を演奏しますが、ベースの使い方が尋常ではないのです。 なにしろベースでメロディを演奏するようなことも平気でやるし、なぜ12ベースの楽器を使うのかは Air を聴くとよく理解できます。
(HK)
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Jackie Daly 関連のバンド Arcady Buttons
& Bows De Dannan Patrick Street
コンピレーション Country Bound ,Cork Folk Festival ,Gaelic
Roots ,Irish Folk Festival ('76 & '77)
映像
Come West Along the Road に Frankie Gavin、Alec Finn と3人での演奏シーンがあり、メロデオンを弾いています。
また、To Erin And Back には、Kevin Burke とパブで演奏しているシーンがあり、ベースをしっかり使っているのがわかりますよ。
もし入手できるなら、TVシリーズの Bringing it all back home に Colm
Murphy と二人だけでポルカを演奏するシーンもあります。