Eoghan O'Sullivan
1993 Mulligan
Gerry Harrington & Eoghan O'Sullivan : Sceal Eile

ジェリー・ハリントン&オーエン・オサリヴァン『シュケアル・エレ』(1993年)
 アイルランド南部のシュリーヴ・ルークラ・スタイルを志すフィドル奏者(ケリー出身)とアコ奏者(コーク出身)のデュエット盤。特に超絶技巧をひけらかすわけでもなく、伴奏もほんの数曲でギターが入るくらい。とにかく、2人だけでひたすらユニゾンをやってます。時々、2人の音が混じり合い、どれがアコでどれがフィドルの音か分からなくなってしまうほどの一体感。
 ただ、伴奏楽器がないうえに、アコの左手ベースもほとんど入れないため、よほどのアコーディオン好き、もしくは南部地方の音楽好きでなければ、お薦めしません。

 でも何度も聴き込むと、これはこれで、なかなか悪くない演奏ですよ。まさにシンプル・イズ・ベスト。2人の息がぴたりと合っているし、最近のプレーヤーでここまでアレンジやプロデュースに凝らないのも珍しい。その心意気、買いましょう!

 オーエン・オサリヴァンの弾くアコの音は、きりっとした辛口ドライ。通常より半音高い調で演奏しているので、チューニングはD/D#でしょう。なお、彼はアコ以外に数曲、フルートも吹いています。こちらの腕も大したもの。ちなみに伴奏するギタリストは、ノエル・シャイン。

 選曲は上にも書いたようにシュリーヴ・ルークラ地方に由来するものが半数を占めているとはいえ、クレアやゴールウェイなど他地方の曲やフレンチ・カナディアン、ブルターニュ音楽なども入っています。
 アルバム・タイトル『シュケアル・エレ』は英訳すると、「Another Story」。ゲール語をどうカナ表記するかは難しいところですが、それはまた「別の話」ということで。
(TA)
1996 Kells
The Smoky Chimney

 Gerry Harrington と Eoghan O'Sullivan のコンビによる2枚目のアルバムは、辣腕ギタリストの Paul De Grae が加わって完全にトリオとしての音作りです。
 メロディを受け持つ二人の演奏、選曲はほぼ前作と同じなのですが、ギターが加わることによって音楽としての完成度は格段に増しましたね。アイルランドの音楽が好きな人なら気に入ると思います。アコ好きは前作の方が気に入ると思いますが・・・

 全体の変化を付けているのはギターなのですが、甘からず、辛からず、出しゃばらずで文句のつけようがないバッキングです。こういうのを職人芸って言うんでしょう。
 ジャケットにはサルタレルのアイリッシュ・ブーベが写っていますが、実際に使用しているかどうかは不明です。音を聴く限りでは、違う楽器も使っているような感じです。
 でも、サルタレルだとD/D#なんてキーの楽器が比較的楽に入手できるはずなので、やっぱり使っているのかな。
(HK)

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