Dan Herlihy
| The Ballydesmond Polka ダン・ハーリヒー&ジョン・ドゥルー『ザ・バリーデズモンド・ポルカ』(2001年) シュリーヴ・ルークラ地方バリーデズモンド出身のベテラン・アコ奏者が、マンドセロだけを伴奏に制作したアルバム。1曲、マンドセロ独奏によるワルツを除けば、あとはひたすら2人の合奏で、この地方らしくポルカやスライドの多い「いかにも」といった選曲になっています。 音だけ聴くとダン・ハーリヒーの演奏は、「最近出てきた若手か?」と間違えそうなくらい若々しい、とても明るく滑らかな演奏ですが、ジャケット写真から判断するに、かなりの熟年プレーヤーです。フィンタン・ヴァレリー編著の音楽辞典『The Companion to Irish Traditional Music』の「シュリーヴ・ルークラ」の項目によれば、当地方を代表するアコ奏者としてジョニー・オリアリーと、このダン・ハーリヒー(同書での表記は O'Herlihy)が挙がっています。 とはいえ、オリアリーとは、かなりスタイルに違いがあるようです。C#/Dと B/Cという楽器の差もあるのでしょうが、シュリーヴ・ルークラの独特な渋い歌い回しそのままのオリアリーに対し、ハーリヒーは曲をとても単純明快で自然なメロディーラインで演奏しています。 使用楽器はアイルランド国内、リムリック州のメーカー「ケァディーン(Cairdin)」のB/C。きわめて明るい現代的な、そして、ちょっと可愛らしい音色――コロコロと転がるような感じの音色です。個人的には、年齢が年齢だけに、もう少し音に深みのある楽器を使って、貫禄のある音楽を聴かせてほしいという気もします。でも、まあ、これは好みの問題でしょう。 解説によれば、これが彼の第3作目という由。詳細は不明ですが、これまでにも本作同様に自主制作、もしくは小レーベルからカセットでも発売していたのかもしれません。ハーリヒーの演奏が収められたCDは、他に『An Evening In Sliabh Luachra』(1998年)があり、ここではフィドル、バンジョーとの三重奏が1曲聴けます。 なお、同CDの宣伝ホームページ(http://www.iol.ie/~srdg 2002年1月現在)には、収録の際に撮影された彼の写真が載っていて、白木の美しいアコ(件のケァディーン)を演奏している姿を見ることが出来ます。
(TA)
|