1月28日土曜日。今日はW.A.モーツァルト作曲「ハ短調ミサ」(大ミサ曲)の演奏会当日です。東京の朝の気温は0度で、週の前半に降った雪がまだ路地の片隅に凍っています。お天気には恵まれましたが日中も6度程にしか上がらないとかで、時折冷たい風が吹き抜けます。事務所から会場へ向かおうと仕度を済ませた頃に、グラグラと揺れが起こりました。震源は富士五湖周辺とのことです。
今回はロイヤルチェンバーオーケストラの第81回定期演奏会(指揮 堤俊作氏)に共演いたしました。昨年5月から練習を始め海外演奏や団内試演会を経て今日を迎えました。公演会場となる文京シビック大ホールは、東京ドームに隣接しており、まさに都心。交通の混乱もなく無事午前9時前には到着。オーケストラのスタッフの皆さんも会場入りして準備に余念がありません。136名の合唱団出演者も予定通り集まって来ました。
NAOコーラスグループには、ちょっと壁にぶつかると戸惑い萎縮してしまうという傾向があります。「大ミサ曲」のような機微に富んだ作品では、様々な曲想を大胆に歌い分けたいところ、迷いがあるとどうしても平坦となってコーラスに物足りなさを感じさせてしまいます。その点では本番前の2日間のオーケストラとの合わせのなかで、楽器一つ一つのフレッシュで切れ味のある音色に触れ、またマエストロの意をよく汲んだテンポ感のある演奏と共演することで、個々の合唱団員の迷いも払拭出来たのではないかと思います。
直前までのダメだしを経て、いざ舞台です。第1部はモーツァルトが9歳で書いたという「交響曲第4番」ニ長調です。ホール内は1000人を超すお客様で満たされたためでしょうか、本演奏ではGPの時とは異なる新たな響きになっていることに気付きました。いよいよ合唱団の入場です。マエストロと息を合わせた演奏がどこまで出来るか、いつもながらハラハラドキドキの瞬間を迎えます。
「Kyrie」のシャープなオーケストラの前奏に、コーラスのハーモニーが重なり厚みを増し盛り上がりを見せます。淡々とした揺るぎのないタクトから、ソリストたちの渾身の歌声が生まれます。合唱も持ち前の柔らかな響きが随所で見られ、全体との一体感も出来てまずは一安心。やはり本番の集中力は宝物です。
演奏会後、各方面の方からお褒めの言葉をいただき、胸をなでおろしました。なかでも恩師の米山文明、章子両先生が楽屋裏まで訪ねてくださり「良かったよ」とお声をかけていただけたのは何よりでした。マエストロを始めロイヤルチェンバーオーケストラの皆様、事務局の出村様、村本様、音楽評論家の上月様、本当にいろいろな方の努力に支えられた中身の濃い演奏会となりました。貴重な経験をさせて頂いたことに感謝します。
もちろん、今回初挑戦であったモーツァルトの8声のハーモニーに立ち向かった、NAOコーラスグループの皆さんにも、あらためて惜しみのない拍手を送りたいと思います。
|